日光東町の保全、活用すべき資源について、そこに住む私たち自らがまず研究し、理解を深め、世界文化遺産に指定された地であることに誇りを持ち、観光客等への語り部となれるよう、「日光東町学」の確立を目指した活動を行っていきましょう。
- 日光東町には、これまでに培われてきた歴史と伝統や生活文化、神社仏閣、信仰の対象がたくさんある。
これらの日光東町の資源は、住民に認識されていないものも多い。 - 「日光東町学」は、長い活動の中で積み重ね、総合化、体系化されていくものと考える。
- 「日光東町学」の研究の経過や成果は、シンポジウムなどを定期的に開催し、公表していく。
- これらは、日光東町の回遊性の高いまちづくりに活かされる。
日光学の例示:日光神話のコスモロジー
日光は、風水思想を超えた神秘の逸話がある。
日光東照宮の配置は、滝尾神社、外山、釈迦堂、本宮等で「オリオン座」を形成し、これらと関連して、女峰山、赤薙山、丸山等で「北斗七星」を形成する。また、男体山は「北極星」に見立てることができ、さらに、中禅寺湖に点在する、二荒山中宮祠、華厳の滝、立木観音、旧五大尊岩が「はくちょう座」を形成するという。家康の霊廟を日光に移した天海大僧正は、この日光の山々の壮大なコスモロジーを意識していたと言われる。
二社一寺は、「神橋」で聖別される聖なる世界の表の世界で、中の世界は、中禅寺湖、戦場ヶ原等、奥の世界は、神々が宿るそれぞれの山頂である。
東照宮を中心とした結界は、南を男神新宮、北西を女神滝尾、東南を若宮本宮の二等辺三角形で形成されている。
こうした風水に基づく思想は、基本的に1,200年前の勝道上人の宇宙観と同じと言われる。
*その他、全国各地で実施されている地域学の実施主体は、県や市町村などの行政、大学等の高等教育機関、NPOなどの市民団体と多様です。
また、それぞれの地域学は独自の目的や方法を持ち活発に活動を展開し、それぞれが成果をあげています。